深海からこんにちは

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40's フランス軍 M-41 mechanic jacket 購入&洗濯

 


年代物のミリタリージャケットを購入しました。

40年代のフランス軍用M-41と、球数が少ないと思われるモデルです。

ミリタリー系特有の青丹色よりも、更にくすみの強い海松色。海藻に近いカーキ。

裏地は折伏せ縫いで、切りっ放しの端が見えない丁寧な仕上げになっていますが、当時のフランス製の特徴らしいです。

滑らかな縫製のおかげで着心地がとても良いです。戦時中も厭わない丁寧な仕事に感謝。壊れた時に直すの難しいな...とは思いますが。

 

驚くべきは状態の良さ*1。80年近く経った今、傷も目立った汚れも無い。ボタン*2も欠損していませんが、これは製造時からのモノなのでしょうか。

 

歴史を感じる味わい深いグリーンと、ギャザーの効いたショート丈のシンプルなデザインに一目惚れしてしまい、一週間ほど悩んだ末に店舗で試着して購入しました。

 

私は171cm45kgとかなりの痩せ型ながら肩幅が張っており、中々合う服が無いのですが、こちらは肩から袖丈にかけてジャストフィットに近い格好でした。

最高!

 

ただ...

流石に古着臭さが強い。個人的には好きなのですが、周囲に気兼ねなく普段使いするために少しスッキリさせたい。

とはいえ生地の耐久性が不明なため、ストレスは極力かけたくない。

洗濯表示は当たり前のように無いので、コットンツイル生地という素材の情報のみを頼りに洗浄を試みます。

 

まずは光触媒系の脱臭スプレーをかけて、様子を見つつ外干し。焚火の近くに一晩おいたナイロンジャケットも無臭に戻した強力なスプレーでしたが、これは効果薄でした。コットンの色落ちが怖かったのであまり日に当てなかったのも原因かもしれません*3

古着の臭いには色々とありますが、今回は皮脂やカビの臭いだと思われます。

この手の臭いに特効力のあるオキシ漬け*4を敢行。

 

オキシ漬け開始。

 

約5時間経過。オキシ漬け終了。

色んなものを漬けてきましたが、正直ここまでの濃さは見たことないです。積年の汚れが出てますね。

押し洗いの後、シャワーですすぎます。

ボタンを留めるとテンションがかかりそうで怖かったので、そのまま軽く畳んでネットに入れました。

洗濯機内でのダメージが浅いことを祈ります。

 

脱水は10秒程度で引き上げます。

幸いにも、ダメージはないようです。生地の破けや糸のほつれも見当たりません。

元来ツイル生地は丈夫なので心配し過ぎだったかもしれません。摩擦には弱いのでネットは必須ですが。

 

多少引っ張ったり叩いたりして形を整えてから、厚めのハンガーにかけて自然乾燥(外干し)させます。

 

オキシクリーン凄いです。

少し離れたところからも感じるほどの臭いでしたが、完全に消滅しました

ヴィンテージ品から柔軟剤の匂いがするのは少し面白いけど、その内に消えるでしょう。

袖通ししましたが縮んだ感じもありませんでした。

柔軟剤のおかげでより優しい着心地になりました。硬い生地が好きな人は入れなくても良いかもしれません。

 

今回は成功ですね。

  1. 十分に漬け置きした後、水の色の変化が落ち着くまで換水しながら優しく押し洗いをする
  2. 洗濯機に入れる時にボタンを留めない
  3. 脱水は極力短めに行い、よく晴れた日の日陰で乾かす

この辺りが良かったのかな。

今回はボタンの糸が弱々しかったので留めませんでしたが、型崩れ防止のために留めるのもアリかもしれません。

同じようなジャケットをお持ちで脱臭をお考えの方は、自己責任ですがお試しください。

 

今度はアイロンもしてみようかな。当て布が要るかもですけど。

*1:1940年時点で既に仏は独に降伏していたため、このジャケットはあまり戦火に晒されなかったのかもしれない。とか考える。普段使いでもコンディションは落ちるので、このジャケットは歴代の持ち主から大事にされてきたのだと思いたいですね。

*2:簡単に調べたところ、MILITAIRES EQUIPEMENTSの刻印からフランス軍のメタルボタンではあるみたいです。縫い目が裏地を貫通している第四ボタンのみ、後に補修されたと考えられます。

*3:光に当たることで除菌・消臭効果を発揮するため。

*4:酸素系漂白剤オキシクリーンの水溶液を用いた漬け置き洗いのこと。色柄物からガラスのコップまでダメージ少なく綺麗にすることができる。金属とか樹脂は無理。アメリカ製のオキシクリーンだと漂白作用が強いらしいので注意。使わない方が無難。