深海からこんにちは

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【読書記録】ファクトフルネス

ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,
アンナ・ロスリング・ロンランド著
「ファクトフルネス」

コツコツ読んで,今夜読了しました.
冒頭から,世界情勢に関する3択問題が十数題出題され,回答率が33%を越えなければチンパンジー(ランダム)以下と煽られるところから始まります笑
その後,本は上述の各問題を目次として進んでいき…

 

世界は先進国・発展途上国として分断されており,

紛争や疫病,犯罪は絶えず増加しており,

世界の人口は増加の一途を辿っており,

貧しい国では殆どの女性が教育を受けられず,

パンダやサイは相変わらず絶滅の危機に瀕しており,

何事も特定の犯人を責め立てれば全て解決する

 

…といった様々な「思い込み」を,データに基づいて正そう.そして,このような「本能によって人間が落ちる穴」を避け,データに基づき世界を観よう.と訴える内容でした.
データのグラフは分かりやすく,それでいて作為的でもありません.著者のTEDトーク( https://youtu.be/Sm5xF-UYgdg )と併せて,プレゼンの参考にもなる内容でした.また,読了後に気がつきましたが,この本は翻訳者の方も相当だと感じました.翻訳文であるのに,著者の人柄が浮かぶような文脈でした.

 

学び

・世界は思い込んでいたほど悪い状態にはない.

・センセーショナルや扇動的なニュースよりも,データに基づいた客観的な分析結果の方がリラックスできて精神的に良いことがある.

・興味のない分野について知識をアップデートしないでいると,思わぬチャンスを逃すことになるかもしれない.

・事実を見つめるためには,無知を認め,自身の主張と異なる意見を受け入れ,議論することが必要.どこに線を引くかは自分次第であり,その線の中では自分の振舞いをもっともらしく感じてしまうことに注意する.

・客観的視点を身に着けるために,自身の肩入れしている考え方の弱点を常に探ること.

・メディアや政治を批判して終わる(思考放棄する)のではなく,消費者側が情報や考え方の取捨選択をすることが大切だということ.

 

読んで良かったと思います.特に,ポイントポイントで語られる筆者の世界各国の医療現場での経験談と筆者の気づきは,その現場をリアルに描写しており記憶に残りやすいものでした.

そして何より,書いてある内容に,これまでに周囲の大人に指導されたことがままあったことが大きかった.なんとなく,自分はできた大人達に囲まれて歩めてきたのかなと思った.自分の選んだ道が良い悪いなんてことは今は(きっと未来でも)分からないけど,少なくとも自分が信頼できる人間がいると思えることは精神衛生上とてもいいことであり,それに気づかせてくれたこの本に出会えて良かった.

 

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